希代の女ったらし・酒乱にして、後世に多大な影響を与えた天才ブルースシンガー。
The Complete Recordingds / Robert Johnson
1911年生まれ 1938年、女性をめぐるトラブルの為バーボンに毒を盛られ死亡。1936~37年に全29曲と12の別テイクを録音しており(当時は78回転のレコード)、本作品はそれらを全てそろえたCD2枚組み。
それまでの伝統的なカントリー・ブルースに斬新な歌詞と解釈、圧倒的なギターテクニックを加え、その後のブルースとポップミュージックの基礎を一人で作ってしまった。何しろ、第二次大戦前、昭和11~12年の話ですよ。ロックだの、ソウルだの、R&Bだの、そんな言葉と概念が生まれたのはずーっと後の話。27歳でここまでやってしまったんですから・・・
ライナーノーツによると、エリック・クラプトンとキース・リチャーズは相当感化された様子。クラプトン先生に至っては、25歳になるまで、ロバートジョンソンを知らない奴とは口をきかなかったとか。
エルモア・ジェームス、クリーム、ローリング・ストーンズ、レッド・ツェッペリンなど、ロバート・ジョンソンの曲をカバーしているミュージシャンは極めて多い。ほとんどスタンダード化。
この人、悪魔と取引をしてギター・テクニックを会得した、と言う伝説がある。歌詞にも悪魔は良く登場する。
「今朝、悪魔が俺の部屋のドアをノックした。悪魔が俺の部屋のドアをノックしたんだ。俺は言った。ハロー、サタン、出かける時間だな」(Me and the Devil Blues) この後、「俺」と悪魔は通りを並んで歩いて・・・
と、褒めちぎって来ましたが、いきなりこれを聴いても良く分からないはず。クラプトン先生がすばらしい解釈をしてカバーアルバムを出しているので、こちらから入るのがよろしいかと。実は私もこちらから入りました。
Me and Mr. Johnson / Eric Clapton
全曲ロバート・ジョンソンのカバー。おそらくは世界で一番ロバート・ジョンソンを聞き込んでいるクラプトン先生ならではの、愛と尊敬に満ちたカバーぶりです。
特に"Love in Vain"は何度聴いても鳥肌が立つ。フェンダー・ストラトキャスター(ギターの名前です)特有のハーフ・トーンに絶妙のオーバードライブをかけて・・・口では表せない、甘く切ない感情を丹精込めて表現してます。さすが、すばらしい。この曲、歌詞も美しい。"Well I felt so lonesome, I was lonsome, I could not help but cry, All my love 's in vain" 韻を踏んでるんですよ。
傑作です。お勧め。
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